平成25年5月16日(木)
株式会社正木屋材木店
代表取締役社長 大平 宏之 様
取締役 大平 祐子 様
(聞き手:弁理士 鈴木 賢一)
鈴木弁理士
「Kamidana」が誕生した経緯を教えてください。
大平社長
震災後に木工職人集団「MOCONOCO」は、家族団欒の象徴である「ちゃぶ台」を仮設住宅にお届けさせて頂くというボランティア活動を行いました。その活動の中で、入居者の方から、神棚を祀りたい、仏壇などが必要だというお話をお聞きしました。
そのような人々の思い、木材を使用した新たな創作を行いたいという私たちの思い、そして、デザイナー・水野憲司さんとの連携が「Kamidana」という形になりました。
デザイン検証のため、市内の神社(温泉神社・金刀比羅神社・大國魂神社)でお話をお聞きしましたが、祀る気持ちが最も大切とのお言葉を頂きました。
鈴木弁理士
その後の展開として、「東京デザイナーズウィーク2012」参加、代々木八幡での「Kamidana まちなか exhibition」開催、「ロハスデザイン大賞」出品など、積極的に活動を行っておられます。
これらの活動を見て、私が感じたのは、デザインとは人との関わりが本質であり、ライフスタイルの提言や革新となったり、広がり、すなわちネットワークの繋がりを生み出す力を持つのだなと。今後、どのような人々に「Kamidana」を見てもらいたい、使ってもらいたいと思われますか。
大平社長
私たちは地震・津波・原発事故という、これまでにない経験をしました。不自由な生活を強いられている人々もたくさんいます。自らの心に向き合うことも多くなりました。
私の自宅にも以前は神棚がありませんでした。祈りや感謝の気持ちを確認する場所を家の中につくりたい、そのような心を取り戻したいという思いを持っておられる方々に「Kamidana」を見てもらいたいし、使ってもらいたいと思っています。
鈴木弁理士
今回の「Kamidana」を通じて、大平さんご自身も御自宅に新たな空間をつくり、自分自身に向き合う契機が増えたということですね。
私自身も、この度、「Kamidana」の意匠登録手続を担当させていただき、自分自身の世界も、周りとのつながりも、大きく広がったような気がします。たいへん有意義な経験をさせていただき、感謝しております。
次に、デザインのお話になりますが、「Kamidana」をみて、私が一番最初に感じた印象としては、「シンプル」・「これまでにない」・「斬新」なデザインであるということでした。知的財産の世界では、「これまでにない」ということは「新規」、そして「斬新」ということが「創作非容易」という言葉に置き換えられると思います。そのような価値が認められ、この度、「Kamidana」は意匠登録となりました。おめでとうございます。
「シンプル」ということに関しては、デザイナーの水野さんとお話をして、日本の神は自然の神だと、自然に宿っている。そして、「Kamidana」の原イメージは木材からそのまま削り出したような「塊感(かたまり感)」にあると。私はその話を聞いて、仏師が仏様を木から取り出すように仏像を創るイメージが重なりました。「Kamidana」は木材の組合せでできていますが、デザインの一体感が感じられます。それを実現するのが「MOCONOCO」の技術力なのでしょう。
今後の御社の展開などをお聞かせください。
大平社長
ものづくりに関しては、「日常を上向きに」を目標に、より広く、世界に向けて発信できるように努力を続けたいと思っています。
家造りのための情報ネットワークサービス「いわき家ナビ」に関しては、地域密着による、きめ細かな情報提供を継続したいと思います。
鈴木弁理士
最後に、「Kamidana」と意匠登録証とともに、記念撮影を行った感想を一言お願いします。
大平社長
一つ一つ手造りで、心を込めてお届けいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
鈴木弁理士
ありがとうございました。
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