平成25年1月11日。

　小名浜でのお客様打ち合わせが終了後、海岸沿いの様子を確認しに来てみました。

　震災前は波乗りに、震災後は仕事で、これまで何度も来ていましたが、震災後に自分の自動車で海岸沿いを走るのは初めてです。

　上の写真は、永崎海岸です。

　風が吹いて寒いですが、海は穏やかです。

　いわき市周辺は震災により２ｍ程度東に移動し、海岸も沈降しました。砂浜も震災前よりかなり狭くなってしまいました。

　ここは、西田敏行さん（福島県出身）主演の映画『星守る犬』のロケ地です。

　左の写真は、江名港です。

　銅像の上下で色が違いますが、津波でちょうど銅像の腰付近まで海水が上がったということですね。

　銅像の奥に高台に登る階段があり、ここに多くの人が避難していたようです。

上の写真は、震災前、いわき市でも（陰の）一番人気のサーフスポットだった合磯海岸です。

二見ヶ浦とも言いますが、海底の岩盤に砂が付いて、きれいな形の波が立ちました。

ここで波が立った時は、サーファーも増えて競争率が高くなりますが、とても楽しく、良い思い出も多いです。

　津波被害を受けた豊間の町を通り、壊れた防波堤の代わりのトンパック（大型土嚢袋）越しに海を見ると、豊間海岸にはサーファーが数名いました。

　さらに北へ向かうと、映画『喜びも悲しみも幾年月』の舞台である塩屋埼灯台が見えてきます。灯台は、美空ひばりさん『みだれ髪』で歌われた塩屋の岬に立っています。ひばりさんのモニュメントや歌碑を見に、毎年多くの人がここを訪れていました。

　塩屋崎灯台にも、再び登れることを期待しています。

　薄磯海岸の防波堤には、震災後、絵が描かれました。

　海岸沿いのため、津波で体育館の壁が抜けた豊間中学校。このような状況のため、震災後の豊間中学校は藤間中学校に間借りをしていました。現在、豊間中学校は豊間小学校で授業を行っています。また、中学校の壊れたピアノは善意により修理され、NHK紅白歌合戦でも使用されました。

上の写真が、薄磯地区の現在。

震災前は、民家がたくさん建っていました。

奥の山に登る石段が見えますが、命の道になったと思われます。

震災後、仕事以外ではこれまで海岸の方に行くこともありませんでした。

写真を撮ることも精神的に苦痛で、仕事以外では写真も撮っていませんでした。

震災直後からだいぶ様子も変わりましたが、震災と原発事故の記憶が風化しつつある現在において、現状を少しでも知って頂きたく、写真撮影をしてまいりました。